トゲアリの虫草
トゲアリの虫草は、以前は年に1、2個を偶然に見つけるのが精一杯でしたが、最近では慣れてきたせいか、比較的容易に見つけることができるようになりました。コツがわかってきたということでしょうか。
見つけるポイントを一つだけ書いておきます。 トゲアリはアブラムシの甘露を集めるために木に登るようですが、トゲアリがたくさん登り降りしているような、コナラを見つけて、幹から直接生えている細い枝(直径数mm)を捜すとみつかることがよくあります。トゲアリの巣を見つけて、その周囲を捜すのが効率的です。
ただ、私は現在トゲアリの巣を4箇所知っていますが、その中には虫草が多発する巣と全く見られない巣があります。この菌の感染に対して感受性の系統と耐性の系統があるのかもしれないと、妄想しています。
で、写真の虫草ですが、これは昨年の冬に見つけたものの一つで時々観察していました が、ここへ来て変化がみられたので、紹介しておきたいと思います。写真のように先端付近にコブのような膨らみが複数形成されてきました。
アップです。ゴミがうっとうしくてすみません。
コブの表面には小さなぶつぶつがあるようです。以前この虫草の記事にコメントしてくださったignatiusさんのブログにクビオレアリタケとして紹介されているものが良く似ています。このぶつぶつが大きくなるのだろうと予想されます。
この虫草を初めてみつけたのは2008年の1月でしたが、ようやく完熟した姿を見ることができそうです。
(2011年6月18日、兵庫県三田市)
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コメント
おおっ!ついに出ましたね。クビオレアリタケで間違いないとおもいますが、私のブログに載っている静岡産より少し褐色味が強いように思います。静岡産は胞子の隔壁の数が冬虫夏草図鑑と少し違いますので気になっています。もしたくさん出ているようなら調べてみたいです。三田市は行けない範囲ではないので、よろしければご連絡ください。
投稿: ignatius | 2011年6月21日 (火) 23時17分
はじめまして。
いつも楽しみに拝見させていただいてます。
私も三田に住んでいて、虫草を趣味で探しています。こちらの記事を見て、私の通うフィールドにもトゲアリの虫草が無いものかと探しており、6/19に一つだけですが初めて見つけることができ、うれしくなって書き込ませていただきました。
こちらも、トゲアリの巣が近くにあり、その周囲のアラカシの枝で見つけました。ハンマーさんの見つけておられるものよりもまだ未熟ですが、子嚢果もできつつあります。
また、こちらでは、トゲアリの虫草から5m程しか離れていないコナラの根元に、小型のアリから別種のイトヒキミジンアリタケ(ignatiusさんのページで詳しく説明されています)が出ています。これらの菌がどのように住み分けているのか興味があります。アリの種類なのかアリの生活場所なのか?少なくとも棲息域は重なるみたいです。ぜひ、近くの木の根元にイトヒキミジンアリタケがないか探してみてください。ヒサカキのような直径10cm未満の木の根元の地面から20cmまでの高さにあると思います。
投稿: KIQ | 2011年6月22日 (水) 05時52分
ignatiusさん
ようやくという感じです。メールしました。
KIQさん
イトヒキミジンアリタケの情報、ありがとうございます。
ぜひ、捜してみたいと思います。
いつか、フィールドで出会うことがあればいいですね。
投稿: ハンマー | 2011年6月22日 (水) 06時42分