シラカシの枝にたくさん付いている写真のような虫こぶが以前から気になっていましたが、虫こぶハンドブックにも虫えい図鑑にも載っていないようなので、成虫の羽化の時期を確かめるために、1枝採ってビニール袋に入れておいたところ2月8日から10日にかけて3匹の成虫が羽化してきました。
そこで2月12日に現地へ行ったところ、上の写真のように、多くの虫こぶには成虫の脱出孔と思われる穴があいていて、自然状態でも成虫が羽化したことは確かなようでしたが、成虫は全く見ることができませんでした。自然状態でも羽化はもう少し早いと思われます。最終した虫こぶは室内に置いていたので、環境温度は高かったはずなのですが、そんなものですかね。
なお、この虫こぶは未記載だそうです。虫こぶを作るハチも未記載だろうと思います。
3/2追記
羽化した3匹の成虫を専門家に見ていただいたところ、このハチは虫こぶを形成するハチではなく、他の種の作った虫こぶを利用する同居蜂と言われる生態をもつハチで、種名はタイトルに書いたように、Ufo shirakashii (Shinji) だそうです。未確認飛行物体のような属名ですが、どんな意味があるのでしょうか?
なお、幼虫は虫こぶ形成種である可能性もあるとのことです。
3/6追記
ezo-aphid さんからコメントを頂き、属名のUfoはまさに未確認飛行物体のUFOが語源であることが判明しました。コメントの方もご覧ください。
また、同居という習性はあまりポピュラーではないようなので、もう少し書いておきます。上にも書いたように、他の虫こぶ形成種が作った虫こぶに侵入して、その中で成長するような習性が同居(inquilinism) と呼ばれているそうです。多くの場合、同居蜂は直接または間接的に本来の虫こぶ形成種を殺しますが、同居蜂の栄養源はあくまでも虫こぶの植物組織なので、捕食寄生とは明確に区別されます。
羽化した成虫の1匹です。どうも上手く撮れません。
最終した虫こぶで、脱出孔のあいていないものをむしってみたところ、幼虫が顔をだしました。このタマバチは幼虫期間が複数年あるのかもしれません。
(2012年2月12、13日、兵庫県篠山市)
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