マツオオアブラムシ?とトウヨウオオアブラムシ?
まだまだ寒い日が続いていますが、それなりに春は近づいているようで、アカマツの枝で脱皮しているアブラムシがいました。
アップです。
脱皮していない個体のアップです。マツオオアブラムシではないかと思いますが、どうでしょうか?
以前にマツオオアブラムシらしきアブラムシの産卵をアップしたことがありますが、同じ場所での撮影ですので、両方共マツオオアブラムシなら、この付近では卵越冬と幹母越冬の両方の個体が混在していることになります。
(以上、2012年3月10日、兵庫県三田市)
ちょっと前に撮った写真ですが、アカマツにつくアブラムシなのでついでにアップします。
トウヨウオオアプラムシではないかと思いますがどうでしょう?
アップです。多数の卵が枝に産み付けられています。
もうかなり弱ってる状態で、この時点では生きていましたが、2月には生きている個体はほとんど見られませんでした。
(2012年1月8日、兵庫県加東市)
元気な頃の写真です。
(2011年12月10日、兵庫県加東市)
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コメント
上の方は、昨年12月上旬の卵生雌に比べてかなり小さそうなので、まだ幼虫ではないかと思います。Cinaraは種類数が多くて判別が難しいのですが、特徴の少ない幼虫はなおさらです。成虫をスライド標本にしてみないと難しいでしょう。「Cinara Japan」と検索すると、日本産Cinara属の一覧表と胎生雌のスライド標本が見られます。これをみると、どれも似通って見えませんか? 検索表には毛の長さとか本数など、細かい形質が使われています。なお、寄主植物のPinus属を、アカマツとクロマツに区別していますが、これを種判別の根拠にしていないようです。
「幹母」とは卵から孵化した世代のみを指し、耐寒性があるのは卵なので、幹母が越冬することはありません。これは越冬卵が早期に孵化した幹母幼虫か、越冬中の胎生虫の子虫たち、のどちらかと思います。
下の方は、卵生雌の特徴である後腿節が膨らんでいるのが判ります。検索表にはありませんが、腹部背面に並んだキチン板列が特徴的なので、お見立てのトウヨウオオアプラムシのように思われます。胎生雌に比べると、腹部末端が白くなり、キチン板も小さくなるようですね。なお、ここの有翅虫はたぶん雄だろうと思います。
投稿: ezo-aphid | 2012年3月15日 (木) 10時22分
ezo-aphid さん
細かい解説をありがとうございます。
Cinara属は同定が難しいようですね。気軽に種名を出さないように気をつけたいと思います。
幹母については、定義を完全に勘違いしていました。勉強不足ですみません。
今後も、いろいろと教えていただけると嬉しいです。
トウヨウは生態写真をみつけることはできませんでしたが、上でezo-aphid さんがご紹介のサイトの標本写真で、腹背面の黒い紋(キチン板とは知りませんでした)が似ているという絵合わせ同定のまぐれ当たりでした。
投稿: ハンマー | 2012年3月18日 (日) 07時46分