
コナラの枝先についた蛾の幼虫の死体にアシブトコバチが産卵に来ていました。
蛾の幼虫は多分、オオトビモンシャチホコだと思います。コナラやカシ類に多数の幼虫が群れているのを良く見ます。また、写真のように集団で死んでいる様子も普通に見かけます。
いくつかの死体を切り開いてみたところ、中にはうじ虫が入っていました。死体1個に入っているうじ虫は1匹です。おそらくハエの幼虫だと思います。幼虫の死体の殻は非常に硬くて、切り開くときに中の幼虫を潰してしまったので、写真はやめておきます。

アシブトコバチのアップです。黄色い部分はありますが、キアシブトコバチとは黄色の入るパターンがちがっているようです。北隆館の昆虫大図鑑IIIにはハエヤドリアシブトコバチ(Brachymeria minuta)というのが掲載されていて、この学名で検索して出てくる画像は、上の写真と概ね一致しているように見えます。
また、大図鑑は、「ニクバエ科、クロバエ科などの幼虫に寄生し、時に2次寄生する」と記載されているので、生態も合うように思います。が、自信はないので、アシブトコバチの1種ということにしておきます。

幼虫の頭の部分に産卵している個体もいました。
(2012年5月13日、兵庫県加東市)
(5/16追記) ezo-aphidさんから、シャチホコガの幼虫に寄生したのはRogas属のコマユバチで、アシブトコバチはコマユバチヤドリアシブトコバチ Brachymeria secundaria の可能性が高いとのコメントを戴き、タイトルを変更しました。詳細はコメント欄をご覧ください。
また、下に2枚の写真を追加します。

背面からの写真です。複眼の大きさ、小盾板の形に注目してください。

いくつか持ち帰ったマミーの内の1つの殻を切り取ってみました。写真のように大きな幼虫が入っていましたが、黒く変色した部分があって、死んでいるかどうかは良く分かりませんでしたが、少なくとも健康な状態でないことは確実でした。また、矢印の部分に小さな謎の幼虫がいました。アシブトコバチは内部寄生のはずなので、別の寄生性昆虫の幼虫だろうと思います。持ち帰ったマミーから、何が羽化してくるか楽しみです。上手くいけばいいのですが・・・。
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