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2013年1月

2013年1月27日 (日)

ヤマトクサカゲロウ

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 久しぶりの更新です。サボり始めると際限がなくなる性格がまた出てしまいました。

 写真はコナラの枯葉に止まっていた褐色のクサカゲロウです。常緑樹の葉裏で緑色のクサカゲロウが越冬しているのはよく見ますが、褐色のは初めて見ました。ちゃんと体色に合わせて枯葉にとまっているのは、当然といえは当然ですが、さすがですね。

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 ちょっとアップ。
 アミメクサカゲロウなどの場合は触角を前に伸ばしている印象がありますが、このクサカゲロウの触角は後ろ向きですね。たまたまでしょうか?

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 複眼の前後の斑紋を手掛かりに、ヤマトクサカゲロウだろうと見当をつけて、検索してみると、ヤマトクサカゲロウは越冬時に褐色化する旨の記事が山のように出てきました。知ってれば手間が省けたんですが、まあ、一つ勉強になりました。
 (2013年1月20日、兵庫県篠山市)

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2013年1月 3日 (木)

カスミカメムシ科の1種、Pantilius tunicatus

 明けましておめでとうございます。今年もよろしくおねがいします。

 おちゃたてむしさんのブログで少しコメントしましたが、実は2005年から2007年にかけて、このカメムシの写真をたくさん撮りました。ちょっと時宜Iを逸してしまい、このブログでは全く紹介しませんでしたが、いろんなことを忘れてしまいそうなので、少し書いておくことにします。長くなるかもしれません。また、重くなったらすみません。

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 このカメムシを初めて見た時に撮ったのが上の写真で、ハンノキの葉の上にのっていました。これを虫@ふたば に貼ったのがきっかけになり、最終的にはカメムシBBSを通じて専門家に標本を送って、これがPantilius tunicatus であることが確認されました。以下、私が観察したことを簡単に紹介させて頂きます。写真はすべて兵庫県立有馬富士公園内で撮影たものです。

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 最初の写真を撮った時点では気付いていませんでしたが、少し観察するうちにハンノキの雄花序に集まるということはすぐに分かりました。

 写真は2012年の撮影ですが、成虫と終齢幼虫の集団です。成虫はには特に群れを作る習性があるようには見えませんが、幼虫は集団でいる様子をしばしばみ見られます。

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 雄花序で吸汁することは確実ですが、他の場所では吸汁しないという保証はありません。吸われた雄花序には特に変化が見られず、”害虫”の範疇には入らないような気がしています。

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 株によって異なるようですが、秋の深まりと共にハンノキの雄花序は赤く色付いてきます。同時にカメムシの成虫も成熟するに連れて赤味が増すようです。

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 11月下旬から12月初旬にかけて産卵が見られました。

 写真で少し黄色っぽく見えているのは葉柄で、その付け根を口吻で探った後、そのまま前進して産卵管をその部位に差し込みます。口吻で探る時、産卵に適した場所を探しているだけか、樹皮に傷を付けるなどのことをしているのかどうかはよくわかりませんでした。

 写真に挿入した時刻でわかるように、産卵管を深く差し込むのには少し時間がかかります。

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 産卵をもう1例。産卵の場所は前の例と同じく葉柄の付け根です。

 この時は上の写真から下の状態まで20分かかっています。後で卵の写真を出しますが、1回の産卵数は1卵だけのようですので、それを考えると産卵に掛かる時間は長いような気がします。

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 産卵場所はほとんど葉柄の付け根の植物組織内ですが、この写真の1例のみ、比較的太い枝の樹皮下への産卵を観察しました。

 産卵の様子の動画を撮ったような気がしていましたが、捜してみるとちゃんとしたものは撮れていませんでした。産卵管を引き抜く様子とその後の行動のみ撮れていましたので、下のURLにアップします。
http://www.youtube.com/watch?v=7rbq0ZgtIW4&feature=player_detailpage

 前半は葉柄の付け根に産卵していた個体が産卵管を引きぬいた後、産卵場所を口吻で触る様子、後半は上の写真の個体が、やはり産卵場所を口吻で触っているシーンです。産卵孔を目立たなくするような行動なのでしょうか?

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 枝を削って卵を露出したところです。細長い楕円形で、長径は1.7ミリ程度でした。

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 最も遅い時期に見た生きた個体です。この写真は10:30頃に撮影しました。おそらく、寒い時期になると、夜は幹に居て、気温が上がると枝先に移動するのだろうと思います。

 2005年の12月は非常に寒く、最低気温は連日-4~-6℃といった感じで、23日には
-10.6℃という、兵庫県南部とは思えないような最低気温を記録しています。この時はとにかく、低温に強い虫だという印象を受けました。

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 産卵管を枝に差し込んだまま死亡していた個体です。このような例を今までに3例見ました。何しろ寒し時期の産卵なので、このようなことも珍しくないようです。

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 2005年の冬に産卵を観察しましたので、卵で越冬することは明らかでしたが、孵化の時期はわからなかったので、2006年は春からしばしばハンノキをを見に行っていたところ、2006年には9月23日、2007年には、上の写真のように9月22日に初齢と思われる幼虫を見ることができました。体長は約2mmです。

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 多分2齢と3齢の幼虫です。

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 4齢幼虫の集団です。

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 終齢幼虫の集団です。

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 羽化直後の成虫です。

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 フノジグモに捕食される終齢幼虫です。

 ほかにも、ヤニサシガメに捕食されている写真を撮った記憶がありますが、写真は見つかりませんでした。捕食されている様子を見たのは、その2例だけだったと思います。

 写真はこれだけにしておきます。

 最初に書いたように、集中的に観察したのは2005~2007年でしたので、現状を少し書いておきます。

 当時観察し易かったハンノキが成長し、高木類の管理法としては普通のことだと思いますが、低い位置の枝が切られてしまい、観察し易い木が少なくなっています。当時と比べて個体数が減っているような気がしていますが、単に観察しづらくなっただけかもしれません。

 また、ハンノキの雄花序は9月頃形成されて、翌年の早春に開花して花粉を吐き出すのが普通ですが、10月末以降に雄花序が落ちてしまう木が少なくありません。これが、普通に見られる現象なのか、カメムシの影響である可能性があるのか、私にはわかりません。雄花序が落ちてしまった木にはカメムシはみられなくなります。

 以上です。ここまで、長々とお付き合い頂きありがとうございます。冬場は大したものも撮れないので、またしばらく冬眠するかもしれません。

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