双翅目

2024年6月25日 (火)

ケンランアリスアブ Microdon katsurai

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ケンランアリスアブを初めて見ることができました。

このアブは幼虫がトゲアリの巣内で成長することが知られているきれいなアブです。6月ごろ、トゲアリの巣に飛来することが報告されていて、以前から見てみたいと思っていました。トゲアリの巣の所在は多いときは6ヶ所、現在でも2ヶ所を把握していて、どの巣にも、ほぼ1週間に1回は訪れています。そんなことを20年近く続けていて、今回、やっと見ることができました。

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2013年6月13日 (木)

ハイビャクシンに寄生するタマバエの1種のゴール

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 「ハイビャクシンに寄生するタマバエの1種」で紹介したハイビャクシンにゴールが形成されていました。左が正常な状態、右のように先端が丸くなっているのがゴールのようです。背熟すると黄色くなってきます。(2013年6月2日)

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 内部には幼虫や蛹が1匹入っています。写真は蛹です。幼虫は黄色ですが、成熟するに連れて赤くなってくるようです。卵はたくさん産み付けられていましたが、1本の枝に1個のゴール、1個のゴールに1匹の幼虫なので、大多数の卵は無駄になってしまうということですね。厳しいものですね。単に早い者勝ちなのか、他になにか競争があるのでしょうか?

 幼虫はほとんど運動能力を欠き、皮膚は軽くピンセットで触れるだけで、破れてしまうほど脆弱でした。ゴールの中で完全に保護されて育つようです。子宮の中の胎児のようなイメージです。(2013年6月8日)

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 ゴール内の底に当たる部分には皿状のものがあって、幼虫や蛹はこの上に乗っていました。(2013年6月8日)
 (兵庫県三田市)

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2013年5月17日 (金)

ハイビャクシンに寄生するタマバエの1種

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 休日には野外を歩いていますが、なんとなくブログを更新する気力がなくて、また、放置状態になっています。とりあえず、少し前に撮った写真をアップしておきます。

 公園の花壇の、地面を這うように伸びるヒノキ科の樹木で無数の小さな虫が群飛していました。小さいので群飛の様子は撮れませんでしたが、クモの網に引っかかった虫の写真を出しておきます。たくさん飛んでいたということはわかって頂けるとおもいます。虫はタマバエでした。

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 今年伸びた新しい葉を見ると、たくさんの赤い卵が産み付けられていました。

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 飛び回っていたのはほとんどオスでしたが、よく捜すと交尾しているペアや
 

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 産卵中のメスもみられました。メスは葉の隙間に産卵していましたが、植物の成長と共に写真のように卵が露出してくるようです。

  
 
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 また、葉の先から羽化する樣子も何例がみられました。羽化が見られるのは、昨年伸びた古い葉に限られていました。
 先ほど書いたように、飛び回っているのはほとんどオスでしたが、数例ですが、羽化の様子を見ることができたのはすべてメスでしたので、オスが先に羽化して、メスはその後に羽化してくると思います。私が観察していたのは9時以降でしたので、オスの羽化はそれ以前だと思います。 また、私の目では、はっきりとわかるようなゴールは見えませんでした。

 ホストの植物はよくわからなかったので、公園管理の方にお聞きしたところ、ハイビャクシンの園芸品種と教えて頂きました。

 ヒノキ科に寄生するタマバエとしては、「虫えい図鑑」にタマイブキメシカクフシ(B-012)を形成するタマイブキノタマバエ Aschistonyx eppoi が掲載されていました。ホスト植物は近縁と思われますが、このタマバエはゴールから脱出した幼虫が地中で蛹化するとのことですので別物だと思われます。
 (2013年4月29日、兵庫県三田市、羽化の写真のみ5月3日)

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2013年4月30日 (火)

キバネオオヒラオオドリバエの交尾

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 少し前の記事で書いたように、今年もキバネオオヒラオオドリバエ Empis(Planempis) latroの交尾が見られる時期が来ました。ここ数年は毎年これを出していますが、何しろ大きなオドリバエなので、この交尾とオスの群飛を見るのはこの時期の楽しみの一つです。
去年の記事をリンクしておきます。

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 求愛餌の大型のケバエをかかえたオスの群飛です。群れ全体を写すことは無理ですが、この場所では30匹前後のオスを見ることができました。

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 ちょっとアップです。毎年のことですが、どうしても、ほとんどシルエット状にしか写りません。
 (2013年4月28、29日、兵庫県三田市)

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2013年4月22日 (月)

エゴノキの葉に産卵するタマバエ(Dasineura sp. ?)

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 4月4日の記事で紹介したエゴノキの葉に産卵されていたタマバエの卵が孵化していました。この写真の幼虫は孵化後間もない状態と思われます。

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 孵化後少し経過したと思われる場所ではゴールが形成され始めていました。

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 アップで見ると、幼虫の周りの葉の組織が盛り上がってきているように見えます。

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 ごく少数ですが、写真のようなゴールが形成されていました。エゴノキハウラケタマフシと思われます。日本原色虫えい図鑑によるとこのゴールは「1枚の葉に多数の虫えいが群れをなして形成されることがあり・・・」とのことなので、多数の卵が密集して産卵されていた様子と合うように思います。もう1、2週間ではっきりすると思います。
 今後エゴハウラケタマフシが密生してくるようだと、4月4日の記事のタマバエ、そして今日の写真の幼虫はDasineura sp. ということになるそうです。
 (2013年4月20、21日、兵庫県三田市)

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2013年4月15日 (月)

オドリバエの1種の交尾

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 毎年、春に見かけるオドリバエの交尾です。昨年も4月にアップしたものと同じ Empis (Polybolephalis)  の未記載種だと思います。求愛餌はやはり黒いオドリバエの1種のようです。雄の群飛はみつかりませんでした。
 4月末にはキバネオオヒラオオドリバエの群飛と交尾が見られるはずなので、今から楽しみです。
 (2013年4月13日、兵庫県篠山市)

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2013年4月 4日 (木)

エゴノキに産卵するタマバエ

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 エゴノキの新葉に赤い虫が来ているのが目につきました。ざっと見て10匹程度がすぐにみつかりました。

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 よく見るとタマバエの1種が産卵していました。卵も赤い。
 すでに産卵のピークは過ぎていたのか、多くの葉は遠目にも少し赤く見えるほど卵が産み付けられていました。
 エゴノキにはいろんな虫こぶができるようですので、今後の成り行きがたのしみです。
 (2013年3月31日、兵庫県三田市)

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2012年11月30日 (金)

タマバエの1種

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 カワラタケに産卵しているタマバエがいました。菌食性のタマバエはたくさんいるようなので、この写真だけではタマバエの1種という以上のことは分かりませんでした。

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 前胸背には黒いストライプがありました。
 (2012年11月24日、兵庫県加東市)

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2012年9月18日 (火)

オナガコバチ科の1種(Torymus属)

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 ヨモギの蕾に虫こぶが形成されていました。
 ヨモギハエボシフシが蕾に形成されたもののようです。

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 よく見ると小さなハチが産卵していました。
 オナガコバチ科 Torymus属の1種のようです。
 この手の寄生蜂は小さいですが、とてもきれいですね。
 (2012年9月15日、兵庫県篠山市)

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2012年8月31日 (金)

ヒヨドリバナの蕾に産卵するツマホシケブカミバエTrupanea convergens

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 また引きこもりそうな気配なので、「一寸のハエにも五分の大和魂・改」に出した写真をそのまま、出しておきます。

 ヒヨドリバナの蕾に産卵していたミバエで、翅の斑紋は北隆館の昆虫大図鑑3のツマホシケブカミバエTrupanea convergensの図に似ていますが、図鑑にはこのミバエの幼虫はヤクシソウの蕾に寄生する由の記載があるので、別種だろうと思いましたが、大和魂でツマホシケブカミバエで正しいと教えていただきました。

 図鑑にはツマホシケブカミバエはヤクシソウの蕾に寄生すると記載されていますが、ヒヨドリバナの蕾にも産卵していたということから、このミバエはキク科のかなり広い範囲の植物を利用できるのではないかと思われます。

 なお、別の目的で採集していたヒヨドリバナの蕾からこのミバエが羽化してきましたので、ツマホシケブカミバエがヒヨドリバナに産卵していたことは間違いありません。

 風と手振れが重なってひどい代物ですが、動画をアップしましたので、下のURからご覧ください。

http://www.youtube.com/watch?v=kHEi-V1KZU8

(2012年7月22日、兵庫県篠山市)

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