半翅目

2013年7月 9日 (火)

ハリサシガメの幼虫

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 公園の遊歩道を歩いていると、路上を変なものが動いていました。何しろ老眼、近視、乱視の三重苦なので、道に這いつくばるようにして見て、ようやくハリサシガメの幼虫とわかりました。アリを主な餌として、幼虫は食ったあとの殻を背負うことで有名です。

 周囲を捜してみましたが、他の個体はみつかりませんでした。場所は違いますが、5年前に見たことがあり、その時は成虫を確認できなかったので、今度、少しまじめに捜してみようと思います。草がまばらに生える裸地に生息するとのことで、この場所のそばにそれらしき場所があります。

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 顔のアップ。触角の付け根に複眼がのぞいています。
 (2013年7月6日、兵庫県加東市)

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2013年6月 4日 (火)

カワリマダラカモドキサシガメの産卵?

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 過去に何度も出したカモドキサシガメの1種、Empicoris egregiusですが、カメムシ図鑑の第3巻でカワリマダラカモドキサシガメという和名がつきました。

 今回は産卵しているのでは?と思えるものを観察したので出しておきます。

 見つけたのはいつも通り、エノキの樹皮上のくぼみで、アングルに制限があって、産卵を確かめることができませんでしたが、状況的には産卵しているように思います。左に見えているのは抜け殻です。

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 最初の写真は午前10時32分の撮影で、今度の写真は午後2時の撮影です。姿勢は変わっていますが、腹部の位置は動いていないような気がします。

 幼虫で越冬した個体が5月上旬に羽化するのは見たことがありますので、今時分に産卵するのは自然なように思います。

 昨年8月に交尾を観察しましたので、6月初めに産卵されたものが、8月に羽化したとすると、幼虫で越冬するまでに、もう1世代あるかもしれませんね。

 (2013年6月2日、兵庫県三田市)

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2013年3月15日 (金)

マツコヒラタカメムシ、と午前0時の気温が最高気温になったこと

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 松枯れで伐採されたアカマツにいたヒラタカメムシです。体長4 mm強なので、マツコヒラタカメムシでいいと思います。初めて見たので出しておきます。成虫で越冬するのですね。
(2013年3月9日、兵庫県加東市)

 この写真を撮った日は非常に暖かかったのですが、昨日(3月14日)は日中全く気温が上がらず、三田市では午前0時頃の気温がこの日の最高気温になったようです
 滅多にないことのような気がしますので、ここにメモしておきます。

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2013年1月 3日 (木)

カスミカメムシ科の1種、Pantilius tunicatus

 明けましておめでとうございます。今年もよろしくおねがいします。

 おちゃたてむしさんのブログで少しコメントしましたが、実は2005年から2007年にかけて、このカメムシの写真をたくさん撮りました。ちょっと時宜Iを逸してしまい、このブログでは全く紹介しませんでしたが、いろんなことを忘れてしまいそうなので、少し書いておくことにします。長くなるかもしれません。また、重くなったらすみません。

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 このカメムシを初めて見た時に撮ったのが上の写真で、ハンノキの葉の上にのっていました。これを虫@ふたば に貼ったのがきっかけになり、最終的にはカメムシBBSを通じて専門家に標本を送って、これがPantilius tunicatus であることが確認されました。以下、私が観察したことを簡単に紹介させて頂きます。写真はすべて兵庫県立有馬富士公園内で撮影たものです。

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 最初の写真を撮った時点では気付いていませんでしたが、少し観察するうちにハンノキの雄花序に集まるということはすぐに分かりました。

 写真は2012年の撮影ですが、成虫と終齢幼虫の集団です。成虫はには特に群れを作る習性があるようには見えませんが、幼虫は集団でいる様子をしばしばみ見られます。

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 雄花序で吸汁することは確実ですが、他の場所では吸汁しないという保証はありません。吸われた雄花序には特に変化が見られず、”害虫”の範疇には入らないような気がしています。

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 株によって異なるようですが、秋の深まりと共にハンノキの雄花序は赤く色付いてきます。同時にカメムシの成虫も成熟するに連れて赤味が増すようです。

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 11月下旬から12月初旬にかけて産卵が見られました。

 写真で少し黄色っぽく見えているのは葉柄で、その付け根を口吻で探った後、そのまま前進して産卵管をその部位に差し込みます。口吻で探る時、産卵に適した場所を探しているだけか、樹皮に傷を付けるなどのことをしているのかどうかはよくわかりませんでした。

 写真に挿入した時刻でわかるように、産卵管を深く差し込むのには少し時間がかかります。

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 産卵をもう1例。産卵の場所は前の例と同じく葉柄の付け根です。

 この時は上の写真から下の状態まで20分かかっています。後で卵の写真を出しますが、1回の産卵数は1卵だけのようですので、それを考えると産卵に掛かる時間は長いような気がします。

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 産卵場所はほとんど葉柄の付け根の植物組織内ですが、この写真の1例のみ、比較的太い枝の樹皮下への産卵を観察しました。

 産卵の様子の動画を撮ったような気がしていましたが、捜してみるとちゃんとしたものは撮れていませんでした。産卵管を引き抜く様子とその後の行動のみ撮れていましたので、下のURLにアップします。
http://www.youtube.com/watch?v=7rbq0ZgtIW4&feature=player_detailpage

 前半は葉柄の付け根に産卵していた個体が産卵管を引きぬいた後、産卵場所を口吻で触る様子、後半は上の写真の個体が、やはり産卵場所を口吻で触っているシーンです。産卵孔を目立たなくするような行動なのでしょうか?

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 枝を削って卵を露出したところです。細長い楕円形で、長径は1.7ミリ程度でした。

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 最も遅い時期に見た生きた個体です。この写真は10:30頃に撮影しました。おそらく、寒い時期になると、夜は幹に居て、気温が上がると枝先に移動するのだろうと思います。

 2005年の12月は非常に寒く、最低気温は連日-4~-6℃といった感じで、23日には
-10.6℃という、兵庫県南部とは思えないような最低気温を記録しています。この時はとにかく、低温に強い虫だという印象を受けました。

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 産卵管を枝に差し込んだまま死亡していた個体です。このような例を今までに3例見ました。何しろ寒し時期の産卵なので、このようなことも珍しくないようです。

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 2005年の冬に産卵を観察しましたので、卵で越冬することは明らかでしたが、孵化の時期はわからなかったので、2006年は春からしばしばハンノキをを見に行っていたところ、2006年には9月23日、2007年には、上の写真のように9月22日に初齢と思われる幼虫を見ることができました。体長は約2mmです。

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 多分2齢と3齢の幼虫です。

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 4齢幼虫の集団です。

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 終齢幼虫の集団です。

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 羽化直後の成虫です。

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 フノジグモに捕食される終齢幼虫です。

 ほかにも、ヤニサシガメに捕食されている写真を撮った記憶がありますが、写真は見つかりませんでした。捕食されている様子を見たのは、その2例だけだったと思います。

 写真はこれだけにしておきます。

 最初に書いたように、集中的に観察したのは2005~2007年でしたので、現状を少し書いておきます。

 当時観察し易かったハンノキが成長し、高木類の管理法としては普通のことだと思いますが、低い位置の枝が切られてしまい、観察し易い木が少なくなっています。当時と比べて個体数が減っているような気がしていますが、単に観察しづらくなっただけかもしれません。

 また、ハンノキの雄花序は9月頃形成されて、翌年の早春に開花して花粉を吐き出すのが普通ですが、10月末以降に雄花序が落ちてしまう木が少なくありません。これが、普通に見られる現象なのか、カメムシの影響である可能性があるのか、私にはわかりません。雄花序が落ちてしまった木にはカメムシはみられなくなります。

 以上です。ここまで、長々とお付き合い頂きありがとうございます。冬場は大したものも撮れないので、またしばらく冬眠するかもしれません。

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2012年10月28日 (日)

ホオノキヒゲナガマダラアブラムシの産卵

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 前回の記事で交尾の様子を紹介したホオノキヒゲナガマダラアブラムシの産卵です。
 交尾後卵生雌は枝に移動し、歩き回りながら産卵していました。基本的には1箇所に1個の卵を産んでは、移動するように見えました。枝には複数の個体が見られましたが、群れは作らず、完全に単独行動をしているようです。

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  産卵場所には特にこだわりはないようで、しいて言えば葉柄痕に多いようですが、何か取っ掛かりがあればどこでもかまわないようにみえました。

 卵は他のアブラムシでもよくあるように、産卵直後は黄色ですが、やがて黒く変色するようです。タマゴの長径は0.3~0.4 mmでした。
 (2012年10月27日、兵庫県篠山市)

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2012年10月22日 (月)

ホオノキヒゲナガマダラアブラムシ

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 アブラムシの交尾が見られる季節になりました。今年初のアブラムシの交尾なので、アップします。ホオノキの葉裏にいたので、ホオノキヒゲナガマダラアブラムシだと思います。

 アブラムシ入門図鑑には胎生世代は全て有翅型と書かれているので、このメスは卵生メスということでしょうか?

(2012年10月21日、兵庫県篠山市)

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2012年10月 5日 (金)

ヨコバイの虫草の1種

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シダレヤナギの枝に虫草の1種と思われるものがいくつか付いていました。ホストはヨコバイのように見えます。

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この木には写真のズキンヨコバイがたくさんいるので、多分この虫草のホストもこのヨコバイだと思います。
(虫草:2012年9月29日、ヨコバイ2012年9月16日、兵庫県三田市)

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2012年10月 2日 (火)

カモドキサシガメの若齢幼虫

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 カモドキサシガメの交尾が見られたエノキの幹で数匹の若齢幼虫がみつかりました。体長は1.5mm程度です。

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 脱皮殻がいくつかみつかりましたので、幼虫は2齢以上だと思います。なぜか、脱皮殻はみんなクモの網に引っかかっていました。

 交尾を見たのが8月19日。幼虫はそれほど移動するとは思えないので、この付近に産卵したのだろうと思います。どんな場所に、どんな卵を産むのか見てみたいものです。

(2012年9月29日、兵庫県三田市)

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2012年9月24日 (月)

カモドキサシガメの1種の交尾

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 エノキの幹で交尾していたカモドキサシガメの1種 Empicoris egregius です。カメムシBBSに投稿して、こちらには出していなかったので、アップしておきます。

 このサシガメの写真は何度もアップしていますが、交尾は初めて見ました。写真のようにクモの網の上で交尾しています。この写真を撮ったのは11時30分頃で、夜行性の虫だと思っていたので、昼間に交尾しているのは意外でした。

 交尾にいたる直前の様子を動画で撮れましたので、アップしています。ピンともアングルもひどい代物ですが、二度と撮れない可能性が高いので恥を忍んで公開することにしました。下のURLからどうぞ。
http://www.youtube.com/watch?v=7tClnieB68Q

(2012年8月19日、兵庫県三田市)

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2012年8月17日 (金)

クロフハネナガウンカ?

 なんと、3ヶ月以上も更新をサボってしまいました。特に理由があったわけではなく、なんとなくめんどくさくなって、ズルズルと今日に至ってしまいました。
 特に理由もなく始まってしまった、web的引きこもりですので、特に理由もなく、再開します。しばらくは、引きこもっていた間に撮っていた写真を使ってリハビリですね。

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 エノキの大木の幹にとまっていたクロフハネナガウンカと思われるハネナガウンカです。ピントの悪い写真ですが、2匹写っています。一緒にいるとも、言い難い微妙な距離ですが、意味ありげで気になりました。また、全く覚えてませんでしたが、2008年の記事で同じハネナガウンカをみつけたのは、今回と同じエノキの大木でした。これも意味ありげです。

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 ちょっとアップ。
 (2012年8月5日、兵庫県三田市)

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より以前の記事一覧